11月23日「アシタノイチカワ」開催レポート

11月23日、アシタノイチカワvol.4が八幡市民交流館ニコットにて開催されました。今回は35名の参加者が集まり、これまでから引き続き参加してくださった方も多く見受けられました。

アシタノイチカワは市川の未来を語り合う連続企画として、市川市の共催で今年3月よりスタートしました。市川のことをもっと知って、もっと好きになって、市川の「アシタ=明日」を「アタシ=私」からつくっていきたい、そんな想いを形にすることを目的としたイベントです。4回目の今回は、市川市(市川市カーボンニュートラル推進局)主催で行われました。

開会挨拶

市川市カーボンニュートラル推進局の高濱伸昭さんより開会のご挨拶でスタートしました。市川市が主催で行うアシタノイチカワは、「いちかわカーボンニュートラルプロジェクト」という位置付けで開催していることの説明があり、市川の未来についてみんなで考え、持続可能なまちづくりについて、住まいの視点で考える機会となればとお話しされました。

司会の市川市カーボンニュートラル推進局の滝内恭介さん(左) / 市川市カーボンニュートラル推進局の高濱伸昭さん(右)

vol.3の振り返り

続いて、アシタノイチカワvol.3の振り返りを、いちかわCNネットワーク共同幹事の稲村(筆者)より発表しました。前回は「自転車が切り開くまちづくり」というテーマで開催されました。お二人の講師の講演内容をダイジェストでお届けし、市川の特性、自転車文化の可能性、そして参加者の声から見えた“市川の未来への関心の高まり”についてお話をしました。

資料は下記よりダウンロードできます。

講演 太陽の恵みで健康・快適・安全な「らくらく生活」

今回の講師は、建築環境を専門にし、住宅のエネルギーに関する幅広い研究に携わっておられる、東京大学准教授の前直之さんです。

前さんは、冬の寒さ、夏の暑さ、電気代・ガス代の高さ、自然災害、日本の貿易赤字、地球温暖化という一見バラバラに見える問題が、実は住宅・建築の性能不足によって相互に関連していると説明しました。日本の住宅は断熱・気密性能が低く、冬は足元が冷えて暖房効率が悪く、ヒートショックの危険があること、夏は猛暑と熱帯夜が増加し冷房負荷が高まっていることが指摘されました。

前さんは参加者に各問題について問いかけ、多くの参加者が冬の寒さや夏の暑さ、電気代・ガス代の高さに不満を持っていることを確認しました。

講演の後半では、太陽光発電に関する誤解や批判について。前さんは再エネ賦課金の問題や太陽光パネルの環境負荷などの批判に対して、科学的根拠に基づいた説明を展開しました。太陽光発電の導入により電気代が大幅に削減できること、災害時の電力確保に役立つこと、日本のエネルギー自給率向上に貢献することなどが説明されました。

また、住宅の性能向上の5つの力として、①断熱、②窓、③設備、④換気、⑤太陽光発電を挙げ、特に太陽光発電の重要性を強調しました。さらに、市川市の取り組みとして賃貸住宅への太陽光発電と蓄電池の導入、電気代込みの家賃設定など先進的な事例が紹介され、市川市がこうしたモデルを全国に先駆けて展開していることを評価されました。

専門的な内容をとても分かりやすく、時に笑いを交えながら話してくださり、学びの多い時間になりました。

ワークショップ①:講演の感想共有

後半は、参加者同士が直接話し合うワークショップ。まずは、前先生の講演を聞いて感じたことをテーブル内で共有しました。

「実際のメリットデメリットを周囲に伝えたい」
「太陽光発電のメリットについて知らない人が多いと感じた」

そんな率直な感想が各テーブルで話し合われ、場の空気が一気にあたたまりました。

ワークショップ②:太陽光・断熱の“いいところ/気になるところ”

付箋に書かれた参加者の声が、テーブルの上に色とりどりに広がっていく光景は、まさに“市民の声の可視化”。
良いところも不安なところも、そのまま並べてみることで、参加者同士の理解が深まり、自然な共感が生まれていました。

ワークショップ③:改善策を考える

最後は「どうしたら良くなる?」を話し合う時間。行政への期待、地域でできること、自分自身の工夫など、テーブルごとにさまざまなアイデアが出ました。各グループの発表はどれも短い時間とは思えないほど整理されていて、前さんの講評もとても力強く、参加者の熱量に応えるような内容でした。

ワークショップ②・③で各テーブルのみなさんが記入した付箋のスキャンデータはこちらです。

市川市の環境政策と脱炭素先行地域の取り組み

最後に市川市環境施策推進参与でいちかわCNネットワーク共同幹事の平田仁子さんより、ご挨拶。平田さんは、市川市の環境政策推進体制を担当しており、脱炭素先行地域として選ばれた市川市の取り組みについて説明しました。特に賃貸住宅での脱炭素化、太陽光導入、断熱改修は全国的にも例が少なく重要なチャレンジであると説明。また、市民の理解と参加の重要性を強調し、専門家や事業者との連携によって妙典地区から始まる取り組みを広げていきたいとお話しされました。

集合写真で終了です

最後は、集合写真を撮影!お忙しい中ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました!

次回のアシタノイチカワはいちかわCNネットワーク主催にて、現在開催の調整をしているところです。詳細が決まり次第サイトにてお伝えしてまいります。ぜひ継続して、ご参加いただけますと幸いです。次回以降からのご参加も、どうぞお気軽に、ぜひお待ちしております!

文 =稲村絵美里  写真=西岡千史